専門統計調査士の合格体験記

今年5月に受験した統計調査士に続いて、今回専門統計調査士も受験し、無事合格することができました!!

そこで統計調査士のときと同様、合格体験記を記録しておこうと思います。

統計調査士の合格体験記はこちら。

専門統計調査士とは?

統計検定の一種であり、政府や大学、企業などが行う社会調査・市場調査に関して、調査設計や調査員の役割、収集した調査データの分析について出題されます。

統計調査士では公的統計にフォーカスしていましたが、専門統計調査士ではより一般な“調査”が出題範囲ですので、統計調査士より範囲は広いといえます。

また、区間推定や重回帰分析などの数理統計に関しても、統計調査士より深く広い内容が出題されます。レベル感としては統計検定2級と準1級の間くらいだと思います。

この試験内容について学ぶことで、企業や大学で行う社会調査・市場調査で気をつけないといけないポイントや、結果の分析手法について身につけることができます。

また、統計調査士試験と専門統計調査士試験の両方に合格することで、日本統計学会より「専門統計調査士」に認定されます。

出題形式は選択式(5つの選択肢から1つだけ選択)で、全部で約40問あります。試験時間は90分で、正答率65%以上が合格ラインです。

以前は年1回開催され、各地の試験会場へ足を運ばないといけませんでしたが、2022年現在はコロナの影響もあり、全国各地にあるテストセンターで受験するCBT方式のみ開催されています。

詳細については、公式サイトをご参照ください。(2021年度の過去問もあります)

受験した理由

受験理由は統計調査士のときと同じで、リサーチ会社に身を置いているにもかかわらず、調査データがどのように集められているかについてあまり知らなかったからです。

また他の理由として、今年の9月頭に3年半ほど所属していたリサーチ会社を退職したのですが、「リサーチ会社にいた証を何らかの形で残しておきたいな〜」と思い、有給消化中の時間があるときに受験してしまおうというのもありました。
(在籍中に受けとくべきだったんですが勉強をサボってしまいました…)

次の会社は全く違う業界になるので、リサーチの勉強としてはこれで一旦終わりということになります。

勉強方法

上で書いたように、出題範囲は統計調査士+統計検定2級+αとなっています。そのため、以降の記載は少なくとも統計調査士・統計検定2級の両方に合格するレベルの知識はあるというのを前提にしていますので、その点だけご了承ください。

参考書としては主に2冊使いました。

1冊目は『統計調査士・専門統計調査士 公式問題集』です。いわゆる過去問で、CBT方式への完全移行前の2017~2019年の3年分が収録されています。内容が若干古いので、最新の社会情勢や公的統計の変更点を100%網羅しきれていない点は注意です。が、現状公式が出版している参考書はこれ1冊なので、受験対策には必須になります。

2冊目は『入門・社会調査法 : 2ステップで基礎から学ぶ』です。社会調査の歴史や調査の種類、いろんな統計処理の紹介など、専門統計調査士に出題される内容の7~8割はカバーされています。現在販売されている第4版は2021年に出版されたもののようなので、比較的最近の動向についても記載されています。

対策本としては上記2冊で合格ラインにはいけるかとな思いますが、余裕があれば『外資系コンサルのリサーチ技法』を読んでおくこともオススメします。2冊目として紹介した『入門・社会調査法 : 2ステップで基礎から学ぶ』で紹介されている内容は、どちらかというと大学での研究用の調査に偏ってます。ですが、こちらはビジネスで必要とされるリサーチのコツに特化して書かれていますので、試験対策はもちろん実務でも参考になると思います。

実は『調査の実施とデータの分析』という参考書が公式から出版予定なようでして、これが出版されれば受験対策として購入必須のものになるかなと思います。

ただし、出版社に問い合わせしたという方にTwitterで教えていただいたのですが、どうやら出版時期は未定のようですので、急ぎの方は諦めて他の本で対策するしかないです…。

【追記】
どうやら2023年1月に出版されたようです。実際に読んではないのですが、模擬問題も収録されているようですので、受験する方はやはり購入をオススメします。

勉強の流れとしては、以下がオススメです。

  1. 『入門・社会調査法 : 2ステップで基礎から学ぶ』を一通り読む
  2. 過去問3年分を一通り解いてみる
  3. 過去問で間違えたところを解説や『入門・社会調査法』でチェック・復習
  4. もう一度過去問を解く
  5. (余裕があれば)『外資系コンサルのリサーチ技法』等、別の参考書を読んでみる

統計調査士の試験と同様、CBTでは過去問で見たものと全く同じ問題が3〜4問ほど出題されました。ですので、過去問や模擬問題の内容に関してはなるべく完璧にしておくことをお勧めします。

ただ注意点として、過去問では出題形式がほぼ100%「適切でないものを①〜⑤のうちから一つ選びなさい」でしたが、本番ではいくつかの問題が「適切なものを①〜⑤のうちから一つ選びなさい」でした。過去問に慣れすぎてると見落とす可能性があるので要注意です!!

出題範囲や内容が大きく変わることは恐らくないので、問題を何回か解いて慣れておけば、本番でも合格ラインを取るのはそこまで難しくないかなと思います。

最後に

専門統計調査士はマイナーな資格なのでネットにもあまり情報がなく、またこのブログに来られた方の中には『専門統計調査士』とググってこのサイトを見つけた方が何名かいらっしゃるようですので、少なからず需要がある内容なのかなと思います。

この記事が受験される方のお役に立てば幸いです!!

追伸:来月に届く(はずの)認定証が待ち遠しい。

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